拝啓 お母さん
私がリビングのソファーでうたた寝していると、先にベッドで寝ていたエレンが迎えに来ることがあります。
エレンの声は小さくてか細いのですが、第一声で必ず目が覚めます。
この日エレンは遊んでいて夕飯をきちんと食べていなかったので、お腹が空いているだろうと思い、ウェットフードをあげました。
夢中で食べているエレンの背中を撫でながら「いいこね」と声をかけると、エレンは食べながら両前足でふみふみを始めました。
ふみふみは本来、猫がお母さんのおっぱいを飲んでいる際、授乳を催促するためにする行動です。
授乳期でない猫がふみふみを行うのは、他でもない甘えている時。
離乳ができないうちに母猫から引き離され、母猫の愛情を感じられなかった猫がしばしば行うとされます。
生後約1カ月ほどで捨て猫として発見されたエレン。
お母さんに甘えていた頃の記憶が、まだ残っているのでしょうか。
エレンはよくふみふみする子で、眠い時に撫でられると一生懸命手を動かします。
そんなエレンを可愛く思う反面、いたたまれなくなる自分がいます。
本当はもっともっと母猫に甘えていたかっただろうに。
エレンたちが捨てられた経緯は知る由もありません。
私にできることは、母猫に代わってエレンとミカサを育て、彼らが幸せに暮らせるよう努めることだけです。
生きているのかも分からない、彼らがもう会うことも叶わない母猫に、「何も心配いらないよ」と伝えることができたらどんなに良いか。
はいけい おかあさん
おかあさん お元気ですか
ぼくもミカサも元気です
だから心配しないでね
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